『捲毛の雲』より
金井秋彦の歌集『捲毛の雲』を読了。目に留まった歌を引いておきます。 ・波形の砂は優しも背を向けて佇つ人の影は罰に似ており ・桑の葉をひたすら食みて死の繭に到らんと言いき忘れがたしも ・日常のことにて今朝も置かれあり経営苦調書癌死亡証明書など ・苦悶の梨という日ユニ頷きいるときに別れ告げあう声の優しも ・吹き撓い吹き撓いいし森の樹に夕日は恩寵のごとく包みぬ...
View Article#通読 2018年8月分まとめ
◆8月14日 コリント⑵12:7「…啓示された事があまりにもすばらしいから…そのために思い上がることのないようにと、わたしの身に一つのとげが与えられました」。パウロさえ素晴らしい啓示に思い上がる誘惑があった。水島和夫の歌〈喉元すぎれば忘れるわれにむしろ痛みは疼きつづけよ〉も浮かぶ。 ◆8月22日...
View Article#通読 2018年9月分まとめ
◆9月3日 塩谷牧師は『信仰生活の手引き:聖書』でフィリピ2:6を引き、主が最も苦しい時に何ら鎧わず、愚直に天の父と話し続けたと書く。「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず」は、神としての地位ばかりか、その威厳も気にかけなかったという意か ◆9月5日...
View Article#通読 2018年10月分まとめ
◆10月2日 テモテ⑵1:7。テモテを奮い立たせようと「神は、おくびょうの霊ではなく、力と愛と思慮分別の霊をわたしたちにくださったのです」と書くパウロ。テモテにわきまえが無いとは思えない。思慮分別はNIVではself-discipline(自己鍛錬、自制力)で、こちらの方がパウロらしく、しっくりくる ◆10月4日...
View Article『清明』より
尾山篤二郎の歌集『清明』(抄)を読了。目に留まった歌を引いておきます。 日のうちに必ず消ゆる雪とおもふ晩(おそ)かれ早かれと思ふ吾命(わぎのち) なほわれに意力遺りてゐることを疑はずして消(け)ゆく雪見つ 事に触れ怒れる時にせめてもと書ける書き物人こぞり憎め 戦は三歳越(みとせごし)なり少年が町に奏(ふ)く喇叭兵に似づきつ
View Article『雪客(さぎ)』より
尾山篤二郎の歌集『雪客(さぎ)』(抄)を読了。目に留まった歌を引いておきます。 降り昏む雪はこそとの音もなししんしんとして鳴れるわが耳 わが耳や遠き野のべにすだき啼く虫にまかせてありと思はむ わぎのちの長し短し考へねど今しばらくは活かしめ給へ 折れ蓮のかれくきみだれ逆さまにしづける水がひややかに澄む 汗垂りて夜を坐れり虫さへや啼かぬに耳にすだく声起つ
View Article#通読 2018年11月分まとめ
◆11月3日 新改訳ダニエル5:20「こうして、彼の心が高ぶり、彼の霊が強くなり、高慢にふるまったので、彼はその王座から退けられ、栄光を奪われました」とは、かつてのネブカドネツァル。聖霊の促しと感じて行動していても、自分の霊が強まって尊大だっただけのこと、私も覚えあり。用心したい。 ◆11月6日...
View Article『水中翼船炎上中』より
穂村弘の『水中翼船炎上中』を読了。目に留まった歌を引いておきます。 口内炎大きくなって増えている繰り返すこれは訓練ではない 苦しいよ死にたいという書き込みに生きてとコメントする天使あり 席替えが理解できずに泣きながらおんなじ席に座っています ハイドンの羊のあたまの肖像を見上げる夏の音楽室に モウスコシガンバリマショウが降ってくる桜並木の下をゆくとき...
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