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Channel: 水の門
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『雪客(さぎ)』より

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尾山篤二郎の歌集『雪客(さぎ)』(抄)を読了。目に留まった歌を引いておきます。


降り昏む雪はこそとの音もなししんしんとして鳴れるわが耳

わが耳や遠き野のべにすだき啼く虫にまかせてありと思はむ

わぎのちの長し短し考へねど今しばらくは活かしめ給へ

折れ蓮のかれくきみだれ逆さまにしづける水がひややかに澄む

汗垂りて夜を坐れり虫さへや啼かぬに耳にすだく声起つ

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