加藤克巳の歌集『宇宙塵』を読了。目に留まった歌を引いておきます。
・幻聴が幻聴をよびはてしなくさまよひ入りたり枯草の原
・耳なりがあつといつきに襲ひきて支離滅裂の午後に入りゆく
・屋上にけふも東京の海をみるひとに言はざる救ひのひとつ
・魂(たま)ひとつ祈りの声とからまりて闇夜の空を馳けまはるなり
・救ひは夢に来たりて土を這ふわれらにあはき光をそそぐ
・はつとふりかへればもうたまらなきすぎゆきの悔恨といふもあまりにはやき
・平手打ち右に左に堪へつづけ生きむ力を街に運ばす
・神なんどあるものでない まして仏など 深夜息吐き息すひねむられずゐる
・靄の夜を教会の鐘は波紋なし家々つつみ拡がりてゆく
・救ひは公園のベンチにふはふはとただよふ春の光であるか
・前後左右闇にかこまれにつちもしやつちもいかぬ懺悔迫られてゐるのであるか
・幻聴が幻聴をよびはてしなくさまよひ入りたり枯草の原
・耳なりがあつといつきに襲ひきて支離滅裂の午後に入りゆく
・屋上にけふも東京の海をみるひとに言はざる救ひのひとつ
・魂(たま)ひとつ祈りの声とからまりて闇夜の空を馳けまはるなり
・救ひは夢に来たりて土を這ふわれらにあはき光をそそぐ
・はつとふりかへればもうたまらなきすぎゆきの悔恨といふもあまりにはやき
・平手打ち右に左に堪へつづけ生きむ力を街に運ばす
・神なんどあるものでない まして仏など 深夜息吐き息すひねむられずゐる
・靄の夜を教会の鐘は波紋なし家々つつみ拡がりてゆく
・救ひは公園のベンチにふはふはとただよふ春の光であるか
・前後左右闇にかこまれにつちもしやつちもいかぬ懺悔迫られてゐるのであるか