岡麓の歌集『雪間草』を読了。目に留まった歌を引いておきます。
昨夜(よべ)の夢語りてあとにつぎおきの茶を一息にのみもしつるか
不孝者家(いへ)つぶしたる身のはては中風病(ちゆうふうやみ)と今なりにけり
一年余(いちねんよ)しまひしままの筆箱を今日あけて見てうれしくてならぬ
筆箱に虫つかざりきいくたびも穗さきそろへて病わすれつ
いつにならば起きて字をかく時もやとあてのなけれど筆をだいじがる
ふりかへることもなくして別々に逝けるおや子の骨つぼならぶ
昨夜(よべ)の夢語りてあとにつぎおきの茶を一息にのみもしつるか
不孝者家(いへ)つぶしたる身のはては中風病(ちゆうふうやみ)と今なりにけり
一年余(いちねんよ)しまひしままの筆箱を今日あけて見てうれしくてならぬ
筆箱に虫つかざりきいくたびも穗さきそろへて病わすれつ
いつにならば起きて字をかく時もやとあてのなけれど筆をだいじがる
ふりかへることもなくして別々に逝けるおや子の骨つぼならぶ